「パイパー」

野田秀樹作、演出の新作舞台の衣装を担当しました。舞台は1000年後の火星。人類の憧れと希望だった火星がどのように変貌していくのか。主演は松たか子、宮沢りえが姉妹を演じ、謎の生物パイパーにコンドルズが出演します。
赤い火星の大地に対して人々は青い服をコンセプトに、それぞれのキャラクターを引き立てる衣装作りに努めました。数字の服やパイプのロボット、パイパーの全身パイプの服等、奇想天外な形にも挑戦しています。

Bunkamuraシアターコクーンにて上演 2009年1月4日〜2009年2月28日

歌舞伎 野田版愛陀姫

野田秀樹作・演出の歌舞伎の衣装を担当しました。オペラの「アイーダ」を日本の戦国時代の尾張と美濃の戦いに置き換えたお話です。有名なアイーダの曲を取り入れた行進には像が登場しました。美濃のマムシと呼ばれた斎藤道山の衣装には幕になる仕掛けのマムシ柄の着物をデザインし、二つの国の戦いを美濃の長良川の青と尾張を赤で対立する構図を明確にしながら愛陀姫と駄目助の2人の恋も表現しました。

歌舞伎座にて上演 2008年8月9日〜27日

「ジャックとその主人」

串田和美+白井晃プロジェクトで制作された舞台の衣装を担当しました。
ジャックと主人が話をしながら回想と現実を行き来する物語で舞台の中にも小さな舞台が出現しました。ジャックの長く裾を引くコートはパンツを何枚もはぎ合わせて作りました、

まつもと市民・芸術館にて上演 2008年3月6日〜9日

「Wagners Nibelungenring fur Kinder」
〜子供のためのオペラ「ジークフリートの冒険〜指環を取り戻せ!」〜

2004年、2005年に新国立劇場、2007年にウィーンのオペラ座で上演された子供オペラが今回はチューリッヒでも上演されました。あらたに美術は空間に合わせデザインされ、衣装もチューリッヒのキャストに合わせ現地で制作されました。同じデザインでありながら少しづつ素材や作りを改善しキャストもかわることで新たな作品になりました。

チューリッヒオペラ座にて上演 2008年11月9日〜

オペラ「魔弾の射手」

ウェーバー作のオペラ「魔弾の射手」の衣装を担当しました。森を舞台に射撃大会での優勝を条件に恋人との結婚を許される主人公は、森で魔弾を手にし物語は展開します。ドイツの深い森は動く壁で表現され、衣装にも森のイメージをいれ、たくさんの農民の衣装には植物がつき、集団が集まると森のようになる仕掛けも入れました。悪魔のザミエルは血走るような赤いラインが体を覆い、
森の中に住む人々や謎の生物をユーモラスな衣装で仕立ててみました。

新国立劇場にて上演 2008年4月10日〜20日

NODA・MAP 第十三回公演「キル」

脚本・演出・出演:野田秀樹の舞台「キル」が10年ぶりに、主演妻夫木聡さん、広末涼子さんで再演され今回も衣装を担当しました。
モンゴルの大草原を舞台に英雄ジンギスカンの史実をファッション業界の攻防に見立てた作品です。初演、再演すべて毎回、衣装において新しい試みをする中で満足の行く衣装に仕上がりました。
モンゴルの大草原をイメージする始めの服は淡いトーンで作り、中国を制圧する頃には白の衣装を着込み、徐々にファッション戦争の渦中で苦しむ主人公テムジンの世界を赤の肩身しかない衣装で表現しました。ラストの朝の川面を履いた衣装はシルバーに美しく光る服とシーンごとに変化を付ける事で時の流れや登場人物の心理描写の手助けをしています。

Bunkamuraシアターコクーンにて上演 2007年12月.7日〜2008年1月.31日

「Wagners Nibelungenring fur Kinder」
〜子供のためのオペラ「ジークフリートの冒険〜指環を取り戻せ!」〜

マティアス・フォン・シュテークマン演出で2004年に新国立劇場で上演された子供のためのオペラがその後再演もされ、2007年にはウィーンのオペラ座で上演されました。ウィーンでは新たに美術を区間に合わせデザインされ、衣装もウィーンのキャストに合わせリニューアルされました。オーケストラと一流のソリスト達による上演は子供オペラ以上の完成度がありました。

ウィーンオペラ座にて上演 2007年.11月.17日〜

十八代目中村勘三郎襲名披露公演「野田版・研ぎ辰の討たれ」

平成13年に初演され、好評を得ていた野田秀樹さん脚本・演出による「野田版 研ぎ辰の討たれ」が十八代目中村勘三郎襲名披露公演にて再演されました。野田作品独特の言葉遊びやスピード感に、衣装もこれまでの歌舞伎にはない迷彩柄やオリジナルの柄を加えデザインしました。また衣装だけでなく、お芝居のイメージが膨らむモチーフを使った祝い幕も描きました。

歌舞伎座にて上演 2005年5月3日〜27日

オペラ「さまよえるオランダ人」

マティアス・フォン・シュテークマン演出 オペラ_「さまよえるオランダ人」の衣装を担当しました。永遠に海をさまよい続けなければならない呪いを受けたオランダ人船長を、彼に魅せられた乙女ゼンタの愛が救うという物語です。ワーグナーの傑作といわれる作品で、迫力満点のオーケストラに船員や糸車を引く娘達の合唱が活躍します。大迫力の合唱の中船員全員が集まると一つの絵ができあがる仕掛けの衣装に、糸車や舵輪を取り入れたデザインの衣装など、見どころ聴きどころに溢れる作品になりました。

新国立劇場にて上演 2007年2月25日、3月1日、4日、7日、10日

「ロープ」

宮沢りえ主演・野田秀樹作・演出の2006年待望の新作の舞台衣装を担当しました。_プロレスのリングを舞台に、ミライから来たタマシイという主人公と、八百長を信じない藤原竜也演じるレスラーを中心に、リング上で演じられる戦いがメディアの中で実態のない戦いに変わっていく、野田作品独特の功名な仕掛けで物語が展開します。衣装は今までよりリアルな服を求められた作品ですが、タマシイやレスラーなど物語の鍵を握る人物に存在感を出しました。

Bunkamura シアターコクーンにて上演 2006年12月5日〜2007年1月31日

「獅童流 森の石松」

本木克英演出、中村獅童主演の舞台衣装を担当しました。
「森の石松」の演出に苦悩する舞台演出家が、時空を超えた江戸時代で本物の森の石松になってしまうという物語です。
宣伝ポスターでは主人公の破天荒な舞台演出家「森の石松」を着物と洋服を組み合わせタイムスリップしたイメージで作り、舞台での江戸時代の衣装はそれぞれの役名から連想する柄を描いたモノトーンの着物とシンプルな舞台とのマッチングで力強く美しい世界を作りました。

新橋演舞場にて上演 2006年10月2日〜26日

子供オペラ「トゥーランドット」

演出、田尾下哲による新国立劇場が主催する子供のためのオペラで衣装を担当しました。スケートの荒川静香さんで話題になった音楽のオペラ「トゥーランドット」を子供達に解りやすく仕立てた楽しい作品です。氷の女王トゥーランドットは氷山のように舞台のセットとつながった巨大な衣装にしたり、氷の形を風船で作ったり、宇宙船のヒーローにはスポーツ用のプロテクターやヘルメットを使うなど楽しい工夫をしています。

新国立劇場にて上演 2006年7月28日〜30日

NODA・MAP第十一回公演「贋作・罪と罰」

脚本・演出・出演野田秀樹、主演松たかこ「贋作・罪と罰」の衣装を担当しました。ドストエフスキー作「罪と罰」を野田秀樹独特の感性で幕末の時代に書き換えた物語です。主人公の英を中心に、正義の為に殺人は正当化されるか現代の社会状況にもメスを入れる問題作です。
舞台は四方を囲むミニマムな空間に様々な椅子や道具を持ち込むことで色んな場面が生き生きと現れます。この作品の初演でも衣装を担当しましたが初演とは180度違うアイデアでミニマムな舞台に対して江戸の時代を彷彿とさせる着物を盛り込みながらも新しい感覚のアレンジで現代との接点や新しい時代をも導き出しています。野田秀樹氏との様々なコラボレーションが集約された作品です。

渋谷シアターコクーンにて上演 2005年12月6日〜1月29日 
大阪シアターBRAVA にて上演 2006年2月6日〜2月18日

サイトウ・キネン・フェスティバル 青少年のためのオペラ「フィガロの結婚」

14回目を迎えるサイトウ・キネン・フェスティバルで、小沢征爾さん指揮、串田一美さん演出、美術に伊東豊雄さんによる中学生を対象にしたオペラの衣装を担当しました。中世の時代背景の服の華やかさを取り入れながら人の心の表と裏が見え隠れするコンセプトでユーモラスにアレンジした衣装をデザインしました。伊東豊雄さんの一枚のテープをイメージしたようなセットと衣装のコラボが絵本の様なフィガロのストーリーの楽しさが現れていました。

まつもと市民芸術館にて上演 2005年8月25日26日

「走れメルス〜少女の唇からはダイナマイト!」

野田秀樹作・演出によるこの舞台は、NODA・MAPによる第10回の記念公演であり、本作品は何度も再演されている人気作です。出演は、深津絵里さんや中村勘太郎さん、小西真奈美さんなど個性的な方々です。
芙蓉という女の子の鏡台を境に「向こう岸」と「こちら岸」の世界が行き交い、メルスとスルメを中心に物語は展開し、その時空の行き交う設定を衣装でも表現しています。
野田秀樹さんの20歳の時に書いた作品で言葉による疾走感と演出的にもスピード感のある作品です。

Bunkamuraシアターコクーンにて上演2004年12月3日〜1月30日

オペラ「ジークフリートの冒険〜指環をとりもどせ!」

マティアス・フォン・シュテークマン演出による子供オペラ「ジークフリートの冒険〜指環を取り戻せ!」の衣装を担当。
主人公のジークフリートは旅の途中に、霊剣を折ってしまった罰で眠りについている「眠れる少女」の絵すがたを見て、たちまち恋に落ちます。ジークフリートは少女を目覚めさせることを決意し、少女に捧げるための指環を手に入れるための旅と戦いが始まります。
衣装では、ヘリウムの入った大きなバルーンを使ったり、昆虫や魚や不思議なイメージの衣装を作りました。子供達にオペラの楽しさを知って欲しいと思いました。

新国立劇場にて上演 2004年8月6日〜8日

歌舞伎

2001年に引き続き、野田秀樹さん演出、中村勘九郎さん主演の歌舞伎「鼠小僧」の舞台で衣装として参加することになりました。歌舞伎座で2003年8月11日(月)〜8月29日(金)の日程で上演されます。今回はポスター撮影を写真家の荒木経惟さんが担当したので、これも注目して見てください。

青ひげ公の城

2003年3月28日から4月17日までパルコ劇場で上演されていた、寺山修司没後20年/パルコ劇場30周年記念公演「青ひげ公の城」の衣装担当をしていました。中世フランスの猟奇的な妻殺し伝説を基にした寺山修司氏の作品で、4月2日付のTHE JAPAN TIMESでは、「演出・音楽のJ.A.シーザーは深遠な作品に対する彼自身の理解と寺山の独創的で頽廃的なテイストを結合させ、さらに現代的な感性と輝かしいキャストを加えている。(中略)ひびのこづえのイマジネーションに富んだ蜘蛛の巣のような衣装も注目だ。元気のいい最先端の衣装はパルコ劇場のカラーに合っている。」と掲載されました。


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